災害ボランティアに参加して感じたボランティアとしての準備と心得【能登半島地震】

2月22日~23日で能登半島地震、石川県災害ボランティアに参加をしてきました。

地震大国と言われる日本では大規模地震が頻繁に発生おり、復興に向けてボランティアの力は欠かすことができません。

しかし、そのボランティアも適切に管理しなくては十分な活動ができず、せっかくの人手を無駄にしてしまうこともあります。

過去に東日本大震災のボランティアに参加した際は、ボランティアセンターが数多くのボランティアを管理しきれず、ボランティア内でヒエラルキーが構築、市職員よりもいわゆるプロボランティアの方が発言権を持つ異常な状態も散見されました。

行政がそれらの経験から学んだであろう今回のボランティア対応は非常に仕組化されており、申込から当日まで非常にスムーズに参加をすることができました。

それでも時折生じた「これはどうなってるのかな?」的な部分や、実際にボランティでかかった費用などをブログで補足説明して、ボランティア参加率向上に微力ながら貢献できれば幸いです。

※情報は2024年2月22~23日に志賀町で行った活動に基づく情報です。

事前申し込み

まず、ボランティア参加するには事前登録が必要です。事前登録せずにいきなり現地(ボランティアセンター)に行くのはやめましょう。

備品やトラックは限られているし、支援を受ける方々はリスト化されており、ボラセンで事前に割り振りされているので、登録外の参加は現場を乱すことになります。

その事前登録は以下のリンクから登録ができます。個人か団体、それぞれで登録をしましょう。

石川県災害ボランティア申込フォーム

ここで事前登録することでボランティアの直接的な依頼が届くわけではないので注意してください。

ボランティアに参加するには、申込フォームから登録したメールアドレスに定期的に届く「ボランティア募集」のメールから二度目の申し込みが必要となります。

ボランティア募集のメールでは、「〇〇時から以下のURLで受付を開始します」的な文章で届くのですが、本気でボランティア枠を取りに行くのならば指定時刻ちょうどでログインしましょう。

ボクの場合は、一度目は12時からの受付開始で12:40ログインで定員締切、二度目は12:30ログインで定員締切、三度目は12:10でログインはできたもののボランティア先を検討中に定員締切、四度目は12:05でログインしてボランティア先を「どこでも可」にしてようやく枠を確保できました。

それほどボランティア枠はすぐに埋まってしまいます。どの場所でも支援を必要としているので、あまり場所にこだわることなく「どこでも可」で申し込みすることをおすすめします。

準備するもの

ボランティアの申し込みが完了したら「女性活躍・県民協働課 NPOボランティア」という名称から案内メールが届きます。(実態は石川県災害対策ボランティア本部です)

このメールには重要な記載が多々あるので、必ずスターを付けておきましょう。

タイムスケジュールや集合場所、持ち物といた基本的なこと以外にも、高速道路の無料措置のリンクもこのメールで案内されます。

これはボランティア証明となり、高速道路が免除されるものになるのですが、これを忘れると高額な交通費が発生するので、メールが届いたらその日のうちに必要情報を入力してプリントアウトしておきましょう。

なお、往路復路の二枚がPDFで用意されますが、プリントアウトの際は両面出力ではなく一枚づつ出力してください。それぞれ出口で回収されてしまうので、両面印刷をしてしまうと手元に用紙が残らないので帰りの高速代が自己負担になってしまいます。

そして持ち物について。

案内メールに必要なものは一式記載されており、その中でも防塵マスク、防塵手袋、ゴーグルは推奨と記載されていますが、この三点セットに関しては必ず持参してください。

志賀町での作業は半壊した家屋から破損した家具を搬出するというものでしたが、二ヶ月近く放置された家具は雨風にさらされ埃まみれ。持ち運びの際に粉塵が舞うので、三点セット無しでは作業に大きく支障が生じます。繰り返しますが防塵マスク、防塵手袋、ゴーグルの三点セットはマストです!

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ボランティア当日

ボランティア当日は、いきなりボランティセンターに集合ではなく、石川県地場産業振興センター(最新の情報では海浜公園)、または金沢駅での合流となります。

そこでバスに乗り各ボラセンに移動となりますが、遠方の輪島市までは4時間ほどの長距離移動となります。くつろげるグッズがあっても良いかもしれません。

ボラセンに到着後は、参加者がグループに分けられます。

志賀町では二人一組となり、軽トラックが一台割り振られて被災宅に向かいます。(被害の大きいお宅には複数組で取り組みます)

その際、荷物はボランティアセンターに置いておくことはできないので持参することとなりますが、軽トラックは後部座席がないので荷台に置くこととなります。雨が降ってきた時に備えて大きなゴミ袋などを用意しておくことをおすすめします。

被災宅に到着後は、破損した家具を軽トラに積み込む→集積所へ運び出す。この作業の繰り返し。単純な力仕事ですが、活動の半分は車移動となります。

被災宅がボラセンから離れている、または被災宅が集積所から離れている場合は移動だけで2時間はかかります。

午前2時間、午後2時間の活動時間ですので、効率的に進めていかなければ一往復しかできないこともあります。実際に二日目の活動では午前中に積み込み、集積場に移動した時点で集積場が閉まっており(集積場は12~13時が休憩時間)、一往復しかできませんでした。

ではボランティアをどんどん入れればいいかと言うとそんな簡単な話でもなく、活動に必要な軽トラックが足りるのか、集積場の処理能力は追いつくのかなどなど、異なる課題もあるために重要なのは継続的な支援だなと痛感しました。

また、ボクが参加した二日間はタイミングも悪く両日雨にあたりましたが、とにかく寒かった!
これからの季節はそれほど冷え込むことはないかもしれませんが、大きめの雨合羽と防寒対策は怠らないようにしましょう。

連日参加のケース

ボクが参加した時点では避難所での宿泊体制は整っていませんでしたが、今は幾ばくかの費用を支払うことで宿泊もできるようです。

ただ、毎日金沢駅までの往復バスが出ているので、現地負担の軽減と復興支援の意味合いもかねて金沢駅周辺で宿泊をおすすめします。
※ガーデンホテルや東横INなら金沢駅から徒歩5分圏内、10000円以内で宿泊できます

ここで注意が必要なのは、車で来ている人です。車は金沢駅以外においてきているので、宿泊する人はボランティアを終えるまで車に戻ることができないので、宿泊に必要な荷物はすべて持ち歩くことになります。これが結構負担で、ボランティア活動の最中も常に持ち運ぶ必要があるので、荷物は必要最低限にしましょう。

かかった費用

今回の二日間のボランティアでかかった費用を大まかにですが計算してみました。

1日目
現地までのガソリン代 5000円
朝食 700円(コンビニ)
昼食 1000円(現地定食屋)
夕食 500円(コンビニ)
宿泊費 8000円(ガーデンホテル)

2日目
昼食 700円(現地商店)
夕食 1000円(帰りのSA)
帰宅のガソリン代 5000円

合計:21900円

※今回は交通費を節約して車で行きましたが、寝不足の中の作業と作業後の帰路は結構キツかったので、次回は新幹線移動と前泊を検討しています。

まとめ

今は輪島市、能登町、七尾市、志賀町、中能登町の5市町でボランティアを募集しており、その人数は一日合計215名程度です。

被害状況を考えるとより多くのボランティアを受け入れることができれば復興も早まるかもしれませんが、限られた人員や機材で現場を回し、いまだ一部ではインフラも整っていない状況ではボランティアの受け入れにも上限があります。

その為、加速的な復興ではなく、長期的な支援が必要であり、その為にもボランティアの存在は欠かすことができません。

ニュースを見ていると「誰かがボランティアに行くだろう」と思いがちですが、皆がその「誰か」になれば復興までの道筋は確かなものとなります。

今回、ボランティアに参加して感じたこと、自分自身への次回の教訓などをまとめてみました。

ボランティア参加を検討している人の参考になれば幸いです。

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