トランプ大統領は敏腕ビジネスマンとしての手腕を振るえるか?
ドナルド・トランプVSジョー・バイデン 米大統領選挙の行方は?
米大統領選で再選を期す共和党のドナルド・トランプ氏と民主党のジョー・バイデン氏が対決。
トランプ氏が開票終了前に中止を求めるなど、今なおドタバタ続きの米大統領選挙。
事前の報道では各社二名の接戦を報道しておりますが、両候補が事前に当選宣言を出すなどその熱気はとどまることはありません。
前半ではバイデン候補がリードしていましたが、後半からトランプ候補が追い上げ、そのまま選挙人数を伸ばし続けるかと思いきやバイデン候補が逃げ切っている構図です。
バイデン候補優勢の現状ではありますが、この米大統領選挙戦はトランプ候補がバイデン候補をトランプ劇場に巻き込み、終始「主演 ドナルド・トランプ」が展開されていたなというのが率直な感想です。
何と言っても極めつけはトランプ候補のコロナ感染。
それまで会見時にもマスクを付けないトランプ候補の姿勢からコロナ対策の緩さを指摘されるなど、トランプ候補の明らかな「経済>コロナ」対策はバイデン候補としても重要な攻め所となっていました。
しかし、自身がコロナに掛かり最短期間で復活をするというまるでスーパーヒーローのような演出(?)で、世間の目には「コロナに打ち勝った強靭なアメリカ人」と映り、トランプ候補のこれまでのコロナ対策に緩いイメージは一転してコロナをやっつけた大統領というプラスのイメージとなったのではないでしょうか。
安易な言い方ですが大統領の素質の一つに「幸運」というものがあるんだな、ということを見せつけられました。
そもそもドナルド・トランプってどんな人?
ドナルド・トランプ氏が共和党の候補者として二度目の米大統領選挙を制しました。
日本では総理大臣になる条件に「国会議員であること」がありますが、アメリカでは民間人でも国のトップである大統領になることができるのですが、トランプ大統領も大統領になる前は政治(公職)経験がなく、民間人から大統領になった近年では特殊なケースです。
では2016年の初当選までは何をしていた人なのかというと、「アメリカの不動産王」と呼ばれるほどの資産家であり、トランプタワーの呼び名で有名な「トランプ・タワー・ワイキキ」や、ゴルフコース「トランプ・ナショナルGCロサンゼルス」など世界中にトランプ氏の不動産や商業施設があり、そのトランプ氏は経営者として敏腕を振るっていました。
日本で目にするトランプ大統領といえば豪快でアメリカ至上主義、口が悪く決して品が良いとは言えないイメージかもしれません。
ところが実際のトランプ氏は、大学院時代にMBAを取得して当時勤めていた父親の会社を爆発的に成長させるなど、ビジネスマンとして高い戦略性を持ちあわせた人物です。
しかし過去には事業で大きな失敗もしており、その経験から不動産業のみならずラインセンス業など事業の分散化でリスクヘッジをするなど慎重な一面も垣間見えます。
過去のインタビューでは「常に最悪を予想して事業に臨む」「可能性を複数残しておくのが私のやり方だ」と話しているなど、一つの計画に対して成功に導く戦略を常に複数用意している慎重な側面も持ち合わせています。
こうやってビジネスマンとしてのトランプ大統領を見てみるとこれまでと少しイメージが異なってきますね。
普段の豪快、かつ過激な発言もトランプ流のブランディングかもしれません。
おわりに
最終最後の開票時にもトランプ候補の「開票中止発言」を見てもわかる通り、今回のアメリカ大統領選挙はバイデン候補のみならず日本のメディアも含めて「トランプ劇場」が展開され、そのブランディング力に翻弄されていました。
今後の4年間のアメリカという世界トップの国の舵取りをどちらがとるのかはまだ分かりませんが、引き続きこれからの日本とアメリカの関係、またアメリカを中心に動く世界経済を注視していく必要があります。