見えない格差vsベーシックインカム
「バイトだけで生活費をまかなうのが厳しい」
「学費や生活費が負担で進学を諦めた」
これは現代の日本で広がる所得格差の一例です。努力しても生活が安定しない人々が増えているこの現実に、どのように向き合えばよいのでしょうか。
この問いに対する答えの一つとして注目されているのが「ベーシックインカム」です。
ベーシックインカムと言えば福祉の究極形態のように思われる節がありますが、本ブログではベーシックインカムがどのように格差を解消するのかの視点で考えてみます。
ベーシックインカムが格差解消に貢献する理由
1. 現代日本の所得格差の現状
現在、日本の貧困率は先進国の中でも高い水準にあります。厚生労働省のデータによれば相対的貧困率は約15%であり、特に子どもや若者の生活が厳しい状況です。※日本の相対的貧困率、米韓にも抜かれ先進国最悪に
所得格差が広がると、次のような社会問題が起こります。
- 教育の格差が広がり、学びの機会平等が失われる
- 貧困家庭の子どもが負の連鎖から抜け出せない
- 消費の減少による経済停滞
こうした状況を打破するために注目されているのが、ベーシックインカムです。
2. ベーシックインカムとは?
改めてになりますが、ベーシックインカムとは政府がすべての国民に対して無条件で一定額のお金を支給する制度です。このシンプルな仕組みにより、誰もが最低限の生活を保障されます。
→ベーシックインカムのメリット
- 生活の安定:所得が保証されることで、不安定な生活から解放される
- 格差の是正:特に低所得層への恩恵が大きく、社会全体の格差を縮小する
- 自由な選択肢:経済的不安が減り、勉強や自己実現に時間を費やせる
3. ベーシックインカムを実現するための課題と対策
もちろんベーシックインカムにも課題はあります。
- 財源の確保:莫大な予算をどう確保するか
- 制度設計:既存の社会保障制度との整合性をどう取るか
これらの課題に対しては、既存の社会保障を簡略化や税制改革を行うことで財源を確保する案が提案されています。※財源についてはまた別記事で詳細を記載します。
また、フィンランドなどで行われた実験では、労働意欲の低下は見られず、むしろ心理的安定感が向上したというデータもあります。これは国の規模が異なる、時限的な実験であるなどのことから日本でも同じ効果が期待できるとは断言はできませんが、一つの参考としてとらえることができます。
ベーシックインカムによる日本社会の未来
ベーシックインカムは所得格差を縮小して全員がより平等なスタートラインに立つための強力な施策です。これを実現することで、若者が未来への希望を持ち、自分らしい生き方を追求できる社会が築かれることが期待できます。