単身世帯の増加と少子高齢化の進行により、一人で生計を立てる人が増えてきました。
特に都市部では、家賃、光熱費、食費、医療費などをすべて一人で賄う必要がある単身者が多く、生活における金銭的負担の大きさが問題となっています。
人が生きる上で必要な最低限の生活に対するコスト、例えば家賃や光熱費の基本料金、家具などの生活必需品や住居に関連する税金などは、複数人で分散することで一人ひとりの負担軽減を図ることができます。
その観点から、このブログでは「サザエさんのような多世帯家族」の良さと、多世帯生活とベーシックインカムの利点がどのように相乗効果を生むか、経済面、生活の質、社会的なつながりに及ぼす影響について解説していきます。
経済的メリットを最大限に引き出す多世帯生活
多世帯生活の大きな利点は、何と言ってもコストを共有できる点です。冒頭でも少し触れましたが、一人暮らしでは家賃や光熱費、食費、通信費、さらには税金関連の支払いなどを一人で負担する必要があります。
例えば、都心部で生活する場合は家賃だけでもかなりの割合を占めるため、一人当たりの負担は非常に大きくなります。しかし、多世帯で生活すれば、家賃や光熱費を分担できるので生活にかかる基本的な費用が軽減されます。具体的には、夫婦で生活する場合は家賃や光熱費が2人で分担され、一人当たりの負担が減ります。親子三世代が一緒に住む場合、固定費がさらに分散されるため、より多くの経済的メリットが生まれます。
ここでベーシックインカムが加わることで、経済的な安定感が一層強まります。ベーシックインカムは、国民全員に一定額が定期的に支給される制度です。そのため、多世帯家族の場合、ベーシックインカムは家族全員が受け取ることができるので、「収入は固定」だけど「支出は分散」となり、一緒に暮らす人が多くなるほど利点の生まれる環境となります。今回の制度の話はここが重要なポイントとなります。
日々の生活負担を分担することで生まれる安定感
多世帯生活には経済的な利点だけでなく、日々の生活を分担することで得られる安定感があります。
家事や育児、介護といった日常の負担を分担し合うことで、各個人が自分の時間や趣味に費やせる余裕が増えます。特に、多世帯生活では家事や育児の負担を複数人で分け合えるため、各々が働きながらも家庭を支えることに対する負担が軽減されることは間違いありません。
例えば、夫婦で協力して子育てや家事を分担し、祖父母がサポートに加わることで、親の負担が減り、家族全体がより豊かな生活を送ることができます。懸念点と言えば義理の両親との共同生活に関する人間関係の問題ですが、それは個人間で発生する問題なのでここでは触れません。
さらに、多世帯の家庭にベーシックインカムが支給されると、単身世帯よりも格段に家庭の収入が安定し、働き方も選択しやすくなります。
例えばベーシックインカムを一人7万円としたときに、単身世帯なら一人なので当然7万円。最低でも同額程度の追加収入を生み出していかないと生活していくことはできません。しかし、サザエさん一家ならば7人×7万円で49万円。単身世帯と比べても可処分所得に大きな差が生まれます。
多世帯家族は家族全員がベーシックインカムを受け取ることで、働く時間や職種を柔軟に選ぶことができ、親が育児や介護に専念する余裕が生まれるのは上の数字からも明らかです。例えば、家族の誰かが病気になっても家族同士で支えあえる安心感が生まれます。これは子どもに対する育児や教育に対しての不安を払しょくし、安心感のある子育て環境にも繋がることが期待されます。
子どもたちの成長と家族の絆を育む多世帯生活
多世帯家族による生活は子どもたちの成長にも非常に良い影響を与えます。家族とともに多世代で生活することで、子どもたちは多くの大人に守られ成長することで、多様な価値観や経験を学びつつ柔軟な考え方や豊かな人間関係を身につけることができます。
例えば、祖父母が孫の成長を間近で見守ることで、親だけでは教えきれない人生の知恵や経験を伝えることができますし、子どもにとっても身近に支えてくれる存在が多いことで安心感が生まれ、健やかに成長する環境が整います。
ベーシックインカムが加わると、さらに教育費や子どもの将来に対する投資がしやすくなります。
子どもの教育や進学にかかる費用は出生率に負の影響を与えていますが、子育てを金銭的に補助することで経済的な負担を気にせず子どもたちが夢や目標に向かって挑戦できる環境を整えることができます。
そこに対して祖父母の支援があれば親も育児や教育に集中できるので、子どもたちにとっては多角的な「人の手」や教育や育児にかかる「お金」など、多くの支えの中で成長できる環境が広がります。
多世帯生活とベーシックインカムが切り拓く未来
多世帯生活とベーシックインカムの組み合わせは、経済的な安定と家族のつながり、そして社会全体の幸福感を増進するための持続可能な仕組みです。多世帯で生活することでコストを分担し、日々の負担も分け合いながら、さらにベーシックインカムで生活の土台が支えられると、その安心感からも安定した暮らしが実現します。
このような環境が整うことで、現代社会で問題視される孤独や孤立の解消にもつながり、更には少子高齢化の問題にも新たな一手を打つことが可能となり、将来的には社会全体が活気づくと期待されます。
ベーシックインカムの議論を行う際に必ず議論が炎上するのが財源論です。財源論には様々な政策案が挙げられており、現実的なものから突拍子もないものもありますが、そもそもの考え方としてベーシックインカムは「投資政策」です。収入を確保してその分を分配するという政策ではありません。
ベーシックインカムを実現することで人を増やしていくこと、この超少子高齢化に歯止めを打つ政策であるという理解を広げる必要を感じています。