トリキの錬金術、問題点はどこ?【GoToイート】

Nguyen HaiによるPixabayからの画像

トリキの錬金術とは?

トリキの錬金術とは、1品料理の金額が少額の飲食店である鳥貴族で席だけを予約して、GoToイートでもらえるポイント(ディナーは1,000円分)を大きく下回る安価な料理を1品だけ飲食し、差額ポイントを獲得することを指します。

少額でもいいじゃん!と思う方もいるかもしれませんが、予約ポータルサイトを経由して来客した分、店舗は予約ポータルサイトへ一定の手数料を支払う必要が生じます。
そのため、本来は飲食店支援のための施策であるGoToイートが、結果として安価な料理を提供する飲食店の首を絞める形になってしまいました。

なぜ問題が起きた?

このような問題にはキャンペーン開始前から懸念されていました。

ポイントバック分より安価なメニューの注文は当然ながら、飲食店と客が結託して実際には飲食をしていないのにしたかのように細工をしてポイントだけを入手するなど、政府にもある程度の想定される問題として見えていたはずです。

しかし、GoToイートはコロナ禍で疲弊しきった飲食店を救済するために、制度内容を詰めるよりもスピードを重視した結果、トリキの錬金術のような問題が起きてしまいました。

どうすれば防げたのか?

これは簡単です。
想定される不正が行えないように予約は一定額以上にしたり、飲食店の売り上げ記録を提出させるなどが考えられます。
政府が施策実施前にもっと時間をかけていればこのような問題は起きることはなかったでしょう。

しかし、飲食業界には一日も早い救済が必要でした。
スピードor制度、政府は今回のGoToイートにおいてはスピードを重視したと言えます。

Steve BuissinneによるPixabayからの画像

責任の所在はどこ?

これには様々な考えがあります。

というのもトリキの錬金術は厳密には不正ではなく制度の隙間を縫って行われたポイント集めですので、利用者に責任を押し付けることはできません。

とはいえ店舗側の負担を考えられるモラルがあれば行うべき行動ではありませんので、利用者にも一定の非難は向けられるべきです。

同時に政府がスピードよりも政策の質を高めるべきであったという意見もありますし、いやいや飲食店だってちょっと考えればわかるんだから予約ポータルサイトを介しての予約はある程度の金額になるコース料理にすべきだという意見もあります。

実はこれらの意見は全て正解であり外れでもあり、責任の所在を一か所に押し付けることはできません。

なぜならば利用者は制度に反したわけではないし、店舗側が今回のようなモラル外の行動を読み切ることはできません。
政府にしてもあまり制度を固めすぎて使い勝手の悪い政策にしては元も子もありませんので、ある程度店舗側に主導権を持たせた制度にすべきです。

今回のトリキの錬金術については各メディアでもどこかに責任を押し付けるような報道を行っています。

特に政府の政策的に問題があったという発言が多く目につきますが、今回の問題を見据えて事前に予約ポータルサイトから予約にはコース料理のみとした対応をした飲食店もあります。
要するに飲食店側に選択の自由を与えていたわけで、そのような環境において政府に責任を求めることは政治に強い権限を持たせることを望むのと同義になってしまいます。

今回の一件は三者すべてにおいて回避することができた問題です。

ボクは政治に強い力を持たせるのではなく、店舗側にある程度の権限(今回でいえば値段設定など)を持たせることは必要であると考えます。

そもそも政治がビジネスに介入しすぎるとだいたい失敗しますからね。。。

以上、トリキの錬金術についてまとめてみました。
皆さんはどうお考えでしょうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です