最低賃金引上げで民間企業の負担は増えるが、政治は変わらず時間が流れる。

最低賃金3%上げ、全国平均930円 28円増を審議会決定

2021年7月14日、最低賃金引上げが審議会で決定された旨が報道されました。
これにより全国平均930円となりましたが、主要先進国でいまだ低い水準にとどまっており、今後も賃金アップの議論は継続されることが予想されます。

最低賃金を引上げれば当然ながら従業員(労働者)は同じ時間でより多くの賃金を手にすることができます。
そうなれば企業側は会社を維持するためにより多くの支出を求められることとなりますが、その問題をデジタル技術を駆使して業務の効率化で労働者への賃金に回すことが理想と考えられています。

そこで、考えられるパターンは以下の二通りです。

労働者の人数を減らし、穴の開いた生産力をIT化で補う方法。(図左下)
もう一つが、人員を維持したまま業務効率化で一人ひとりがより多くの生産力を生み出せる環境整備。(図右下)

どちらも共通して言えるのが業務の効率化であり、企業の成長なくして実現はありえません

その為、最低賃金引き上げの背景には企業の成長に向けての努力が欠かせぬ要素であり、行政は業務改善支援策などを打ち出し企業の成長と最低賃金の引き上げを目標としています。

では行政(政治)の世界でも同じような成長に向けての努力が行われているのでしょうか。

2022年度は国家公務員の定員を1000人余り増員要求

これは次年度予算要求に伴い、各府省庁が要求した資料を内閣人事局が取りまとめ公表された数字です。

先ほどの最低賃金引き上げ引き上げに伴う民間企業への要請と大きくかけ離れた結果ではないでしょうか。
このコロナ禍においても民間企業には「業務効率化で賃金引上げ」を求めておきながらも、自分たちには「業務が増えた分だけ人員増」を求め、それに伴い多くの人件費を求めています。

この増員要請ひとつとっても行政(政治)の業務効率化が遅々として進んでいないことは明白です。

こちらのTwitterにも書きましたが、行政(政治)は業務効率化という概念が欠如している、または民間とかけ離れているとボクは考えます。

今、全国の地方自治体でもRPA(ロボットによるPC上の自動処理)の導入が進んでいます。

民間でいえばまさに業務効率化の一環です。業績を伸ばすためにであったり、人件費削減に繋げたりと、新しい技術を取り入れ無駄なく生産を高める方法を模索します。
しかし、行政の場合はその目的が業務効率化ではなく、職員の負担軽減に焦点を置いて導入されているからこそ「業務が忙しいから人件費増」という発想に繋がると考えます。

もちろん過度な残業を無くして時間外勤務による支出を抑えていく必要はありますが、時間外勤務については民間企業も同じ課題を抱えています。

最低賃金引上げと人事局への増員要請、この二つのニュースが重なり記事にしましたが、これだけ情報化が進み、ビジネスのみならずボクらの生活にもITが当たり前になった昨今(こんなことを書くのも恥ずかしいくらい当たり前ですが)、行政や政治の世界ではまだまだ腫れもの扱いの情報技術。この異なる時間の流れを是正していかなくてはいつまで経っても日本の政治はアナログの世界に取り残されてしまいます。


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あけど亮太(明ヶ戸亮太):経営者×市議会議員
現在40歳:川越市議会議員(現在三期目)・広告会社代表取締役・ICTコンサルタント・FPのマルチタスク / JAPAN MENSA会員
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