一年もすれば忘れられる「いじめ」の悲劇
風化するいじめの問題
こんにちは、あけど亮太です。今日はいじめの問題について記事を書きます。
いじめで命を落としてしまった子どもたちの悲劇も、時間が経てばニュースや新聞で目をすることが無くなり、やがては世間から忘れられてしまいます。
報道で厳しく追及されている間は行政も積極的に対策に駆け回りますが、記事に掲載される回数に比例するように行政の対策も失速することは大きな問題です。
そこで、改めて子どもを取り巻く環境の実態を可視化し、ボクらが子どものいじめや自殺に対して問題意識を持つべき理由を解説します。
急増しつつある子どもの自殺
まず、子どもの自殺という日本が抱える大きな課題を数字でとらえるのは冷たい印象があるかもしれません。
しかし、事実関係を整理するためには数字が欠かせません。そして事実関係を整理することで靄のかかった課題の正体が見えてきます。
課題の正体が見えなくては対策も空回りしてしまい、誤った認識を持ってしまう危険性があります。だからこそ冷たい印象があるとしても数字を用いて子どものいじめや自殺について正面から向き合わなくてはいけません。
以下の数字は厚労省が発表してているデータを引用しました。
2001年の子どもの自殺総件数は287件。そして2017年の子どもの自殺総件数は349件。
この18年間で子どもの自殺総件数は20%以上も増加しています。
これでも十分危機意識を持たなくてはいけない数字ですが、日本の出生率と照らし合わせると更にショッキングな数字が見えてきます。
まず、上記の数字は小学生、中学生、高校生による自殺の総数です。その為、出生数を引用しても児童生徒の自殺者数の比率を出すことはできませんので、出生後12年後、要するに出生時から学校に通う年齢まで引き上げて自殺者数を計算をすると、
1989年の出生数は約120万人。その12年後の2001年の子ども(小中高生)の自殺総件数は287件。(0.024%)
2007年の同じく出生数は約109万人。その12年後の2019年の子ども(小中高生)の自殺総件数は357件。(0.033%)
11万人も子どもの人数は減っているのに自殺の件数が増えていることがわかります。自殺者をパーセンテージで比べると約40%も増加しているのが実態です。
繰り返しになりますが、痛ましいいじめやそこから派生する自殺の問題は報道されたその瞬間には大きく世論を巻き込み行政に対策を促します。
しかし、実態は子どもの自殺は減るどころか増加傾向にあるのが上の数字からも見えてきます。
子どものいじめや自殺の問題は行政が中心であるべきですが、行政だけですべてが解決できるものでもありません。家庭や地域、様々なコミュニティからサポートする必要があります。
ですが実際はニュース報道が減ると関心は薄れ、対策は失速します。だからこそ社会全体が子どもにいじめや自殺に対するアンテナを張り続ける必要があります。
まず、行政で行うべきはコミュニティに依存しなくても教育を受けられる環境を作ること。
同時に家庭や地域は学校以外のコミュニティを作ることです。
持続的な対策を行っていき、子どもの痛ましい事件を少しでも減らすためにはボクらが一つひとつの事件を風化させずに、子どものいじめや自殺という問題に向き合っていかなくてはなりません。
※詳細は動画とブログ「いじめは無くならないが、いじめの無い環境は存在する。」で説明していますので、こちらもぜひご覧ください。
明ヶ戸亮太(あけど亮太):経営者×市議会議員
現在40歳:川越市議会議員(現在三期目)・広告会社代表取締役・ICTコンサルタント・FPのマルチタスク / JAPAN MENSA会員
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