埼玉県教育委員会の政策「子供たちが感染防止リーダー」でコロナ感染拡大は防止できる?
コロナ感染拡大防止策は視点が異なれば正解も異なる
コロナの感染拡大に歯止めが効かない今、行政はあらゆる感染防止策を打ち出しています。
例えば飲食店への規制などが最たる例ですが、それらの感染拡大防止策も立場を変えることで視点が変わり、その取り組みは「正解」にも「間違い」にもなるもので、一定の批判を覚悟して施策を打ち出すことに政治的判断が求められます。
その中でも、どの立場から見ても「おかしいのでは?」と感じるコロナ感染防止対策があったので記事を書きます。
家庭では子供たちが感染防止リーダー?
【教育長から 緊急事態宣言期間における教育関係の対応】
— 埼玉県庁 (@pref_saitama) July 30, 2021
各家庭で子供たちが「感染防止リーダー」となり、家族ぐるみの感染防止対策を実践することで、児童・生徒が主役となった家庭内での感染防止対策を推進します。
また、市町村教育委員会とも連携して、広く県内全域での取組として推進します。 pic.twitter.com/UunHa71RYU
7月30日、大野埼玉県知事と教育長が発表した「子供たちが家庭における感染防止リーダー」。
これは子供たちが家庭内において感染防止の声掛けをするリーダーとなるような働きかけですが、この取り組みには疑問しかありません。
まず、子供たちは教育委員会が思っているほど暇ではありません。
部活に塾、習い事と毎日を忙しく過ごしているうえに、まだ大人でさえ十分な対策ができないコロナの感染拡大防止に率先して努めろというのは酷な話です。
更に言うならば。子供たちをリーダーとすることでそこには新たな責任が発生します。
そんな大ごとな、と思うかもしれませんが、家庭内感染対策を子供に託した結果、家庭内から更なる感染が拡大した際に行政が「子供による感染防止リーダー制度が誤っていた」と認めれば、暗に責任の一部を子供に擦り付けたようにも映ります。
この施策は埼玉県から各市町村の教育委員会に落とし込むとのことですが、川越市教育委員会に確認したところまだ具体的な取り組みは検討していないようです。
過日、市教委とはすでに本制度の矛盾点については意見交換をさせていただきましたが、仮に今後埼玉県の指示を受けて子供たちに感染防止の責任の一端を負わせるようなことがあれば更なる協議を重ね、県からの要請を跳ね返すよう努めていきたいと考えております。
そして蛇足ですが、そもそも論として県教育長が想定している流れは7月30日の時点で「リーフレットを作成をいたしまして、学校を通して家庭にお届けして、子供たちに家庭内での感染防止の主役になってもらおうという取り組みでございます。」です。(プレス内容より抜粋)
夏休みに入った今、子供たちへの通知は8月の夏休み明けになることが想定されます。
なんとなく行政が感染防止を「やってる感」を出すための発表のようにも思えるのが本音です、、、
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明ヶ戸亮太(あけど亮太):経営者×市議会議員
現在40歳:川越市議会議員(現在三期目)・広告会社代表取締役・ICTコンサルタント・FPのマルチタスク / JAPAN MENSA会員
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