高齢になればなるほど議員を名誉職と捉える人が多い傾向にあるような気がするのはボクだけだろうか?

地方議会の高齢化の実態

皆さんは地方議会の高齢化の実態についてご存知でしょうか。

地方議会の平均年齢は59.3歳と、情報化における実社会と議会の取組の乖離が深刻化しています。

地方議員の高齢化率は60歳を超える議員の割合が約60%にも上り、全国的に高齢化が進む中で地方議会においても高齢化に歯止めが効かない現状、ヤバいと思いませんか?

議会の高齢化、何が問題?

地方議会の高齢化による弊害は多岐にわたります。
まず、高齢化によって議員の健康問題が生じること。高齢になれば当然体力が低下して病気にかかる可能性も高くなります。これによって、議員の活動が制限されたり、地域の政策決定にも影響を与えることがあります。
※事実、ボクが市議会議員を務めていた12年間でも、複数の議員が高齢化による体調不良から長期に議会を欠席することが数多くありました。(主観)

議員の仕事と言うと議場での議論がイメージされるかもしれませんが、あれは活動内容のほんの一部です。
大半は自治体内を駆け回り、問題点の抽出、改善の提案のために情報をかき集める。意外と体力やメンタルが求められる業務ばかりです。そのような職務において、高齢の方には心身ともにシビアな仕事になります。

また、意見の偏り。
地方議会においては、若い世代の意見が反映されないことは非常に大きな問題です。

ボクは何も若者の意見だけを取り上げろと言う気はありません。何事もバランスが大事です。
しかし、現状は高齢者の意見や価値観が中心となってしまっており、若い世代の視点が欠落し、地域の未来についての展望が失われることが懸念されます。

20代の地方議員が増えない理由

なぜ地方議会に20代の若者が少ないのか?それには様々な理由があります。

まず、地方議員になるためには選挙に出馬する必要がありますが、選挙活動には膨大な時間や資金が必要です。
組織支援の無い若者が選挙で勝ち上がるとなれば、知名度を上げるためにプライベートの時間をすべて政治活動に注ぐ、更に100万円から200万円の自己資金が必要になりますので、普通に考えればムリゲーです。

また、地方議員の仕事は非常に多岐にわたり、地域住民からの要望や問い合わせに対応するためには広い知識や経験が必要です。そのため、若い人であっても地方自治体の仕組みや社会問題について深い知識を持つことが求められます。しかし、現状では、地方自治体に関心を持っている若者は多くないため、地方議員になること自体が魅力的ではなく、逆に地方議員という職業自体が魅力がないと考えている若者も多いようです。

20代の地方議員が増えると何が良いの?

地方議会に20代の若者が増えることには、大きなメリットがあります。まず、若者は新しいアイデアや視点を持っており、現状に縛られることなく、未来に向けた斬新な政策を提案することができます。また、若い人たちは情報化社会で育ったため、情報収集や情報発信に長けており、その経験値やスキルは行政職員以上のものが期待され、若手議員の提案は地方自治体の情報発信力の向上にもつながると考えられます。

さらに、これから結婚や子育てを控える20代議員は将来にわたる地域の発展を当事者として考える立場にあります。
そのため、長期的な視野に立った政策を提言することができます。
これはボク自身の体験からの感想ですが、若い人たちは地域に対して熱い想いを持っており、地域の未来を良くしていきたいという情熱を持っています。

時にはその熱意から視野が狭くなり失敗することもありますが、失敗の次にはより精度の高い成功が期待できます。そのため、20代の政治活動は地方自治体の発展に必要な取り組みを推し進めることができるでしょう。

以上のように、地方議会に20代議員が増えるメリットは代替できないものばかりです。

まとめ

農村地域の地方議会は、多くの場合、定年を超えた高齢者たちが議員として活躍しています。彼らはその地域で尊敬され、地域社会の重要な一員として認知されていることが多いです。しかし、彼らが議員に就いていることで、地域にとって良い影響がある反面、悪い影響を与えることがあることにも気づかなければなりません。

高齢者が地方議会に多数いる場合、決定の遅れ、現代的なアイデアの欠如、そして新しいトピックへの反応の遅さなど、議会全体の能力に悪影響を与える可能性があります。

20代からの若者たちが地方議会に参加することで、新鮮な視点、現代的なアイデア、そして高いエネルギーをもたらすことができます。彼らは、現在の問題についての新しいアイデアを提供し、未来に向けた取り組みを促進することができますし、若者たちはITやSNSなどのデジタル世代、情報収集能力や情報発信能力にも優れています。

また、これは逆説的な話になってしまうのですが、最近の若者は議員と言う職にあこがれを持っていません。
それは「議員という椅子に座ることを目的としない」ことに直結します。

高齢になればなるほど議員を名誉職として捉える人が多くなります。
しかし、議員はあくまでも有権者たちの代表者であり、その立場に上も下もありません。この感性を若い人ほど持ち合わせている傾向にあり、20代議員には本来の職務に真摯に向き合える可能性を期待することができます。

以上の理由より地方議会に20代からの若者たちが多数参加することで議会を活性化することが求められています。若者たちが地方議会に参加することで、地域の未来を担う人材の育成に繋がり、10年先、50年先の皆さんの住まいの発展に貢献することができます。


明ヶ戸亮太(あけど亮太)
1981年生まれ:元 川越市議会議員(三期)・広告会社代表取締役・ICTコンサルタント・ファイナンシャルプランナー / JAPAN MENSA会員 / フィジーカー(APF大会、アスリートモデル部門優勝)
マルチタスク・ラボ
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著書:マルチタスク思考

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