自民党が組織改革を実施!?
「復活当選」2回以上は重複立候補認めない方針
菅菅義偉総理大臣が自民党の選挙対策委員長と会談し、新たな党内改革を行いました。
次の衆議院選挙においては、小選挙区で敗れても比例代表で当選することのできる「復活当選」が2回以上続く議員には原則として重複立候補を認めないといった方針です。
これによって現職の国会議員でも二回以上の「比例復活組」は次期衆院選挙で比例名簿に名前を連ねることができなくなるので、対象議員の選挙に対する熱の入れ具合が向上することは間違いありません。
そもそも比例復活当選とは?
まず、衆議院選挙というのは各選挙区内において一名の国会議員を選出する選挙です。
そのため選挙区内の有権者数に限らず、どれだけ立候補者がいても当選するのは原則一名であり、これが小選挙区の原則です。
しかしそれだと多くの票をもらったけど僅差で負けてしまった候補者に寄せられた民意は無視されてしまいますよね?
そんな民意をないがしろにしてしまうことを避けるために存在するのが「比例復活当選」です。
仮に衆議院選挙において負けてしまっても、当選者の獲得票数と比べて僅差で負けてしまった候補者には復活当選するチャンスが与えられます。そしてその際の条件が「比例名簿」に名を連ねていることです。
とはいえどれだけ当選者との差がわずかであっても、所属する政党が多くの票を得ていなければ復活当選はできません。
皆さんも記憶にあるとあるかもしれませんが、衆議院選挙では投票用紙に「候補者名」と「政党名」を書きますよね。
あそこで書かれた政党名での得票数が多ければ、投票してもらった政党はその投票数に比例して「小選挙区で復活させることができる枠」を獲得することができます。
感覚的には「候補者としてみるとA候補だけどBの政党にも頑張ってもらいたいな~」といったところでしょうか。
わかりづらい制度ですが、政党名の投票は「復活枠の数」と思ってもらってよいでしょう。
今回の改革で自民党内の何が変わるのか
そんな制度に対して、自民党は「これまで二回比例復活した、ようするに小選挙区で負けた議員は比例名簿に名前を乗せないぞ!」といった方針を出しました。
これによって何が変わるのか。
考えられることは比例復活議員に対する喝入れでしょう。
比例名簿に名前を乗せないということは、どれだけ自民党が支持を得ていたとしても小選挙区で負けてしまった議員は比例復活をすることができません。そのような背水の陣をとることで「何が何でも小選挙区で勝つぞ!!」と候補者の選挙前活動はより活発化されることが予想されます。
一見すると自民党政権は順風満帆のようにも見えますが、政治とカネの問題、学術会議の任命、公文書問題など良し悪しの賛否はあれどメディア的にネガティブなイメージとなる話題は山積です。
そのような中だからこそ次期選挙戦において一つでも多くの議席を守り抜くためにこのような方針を打ち出したのでしょう。
自民党内で対象議員は何名?
現在のところ対象となる議員は25名だそうです。
そうなると25地区において自民党以外の政党議員がいるという事になるので、自民党の上層部からしてみればなんとしても小選挙区で勝ち上がり、他政党の議員は減らしておきたいところでしょう。
とはいえ地域によっては他政党の代表がいたり、北海道や大阪、沖縄のような特殊な地域では小選挙区で勝ち上がるのはなかなか至難の業です。
自民党上層部もただ喝を入れるだけで勝てるとは思っていないでしょうし、そうなれば資金面での援助が行われることも考えられます。
金権政治に繋がる恐れもありますが、組織内の流動化を図るための方針には菅総理の想いも込められているのではないでしょうか。
今回の流れをきっかけに選挙がよりクリアなものになることを期待しています。