【能登半島地震】迅速な現地ボランティアが望ましくない理由
能登半島地震の被災地である石川県では1月4日12時現在、災害ボランティアの募集は行っていません。→石川県-被災地を支援したい方へ
ボクも石川県に友人がいるので、できることなら友人やその家族、知人など周囲の人たちの分の食糧を可能な限り持って駆け付けたい気持ちもあるが、「今は」その行動は望ましくないので行政の情報を注視しています。
しかし、SNS上には「災害時は現地に足を運ばなくてはならない」という圧力があり、被災地に支援物資を届ける個人の活動がSNS上に散見されます。この圧力をかける総数は決して少なくはなく、特に政治界隈に多く発生しているようにも思えるのは気のせいだろうか。
ただし、災害とはそれこそ日本国民が一丸となり立ち向かわないといけないもので、個々人の勝手な行動は団体を乱すことに繋がりかねないし、災害時にはその乱れから助かる命が助からなくなるかもしれません。
個人的には「規律正しく指先まで足並み揃った団体行動」よりも個々人の感性を活かす、マニュアルから半歩外れた行動の方を好ましく思うが、こと災害時には前者の方が望ましい。
仮に勝手な個人の救助活動で助かった人の命があったとしても、それははっきり言って偶然の産物でしかない。なぜなら、現場で人々の命を助けるために日々努力を積み重ねている消防隊員や自衛隊と比べれば文字通りプロと素人だから。
だからこそ人命救助に関して素人はプロの指示を待つ。待っている間は指示が来た時に迅速に動ける準備をしておくことが望ましいと考える理由です。
「災害時は現地に足を運ばなくてはならない」という圧力は素人をいたずらにプロの現場に突撃させる悪しき圧力だと考えるし、もう少し突っ込んで言うならば「災害時に現地に足を運んだ人を称賛する」ことも類似の危険性をはらんでいます。
人の善意を否定するのは心苦しいが、行動原理が100%の善意であっても100%の承認欲求でもプロの足を引っ張る恐れがあるならば控えるべきであり、これがボクが素人が現地に駆け込むことが望ましくないと考える理由です。
心からの善意から今なお現場に向かっている方がいます。その熱意と行動力をもう少し温存し、より効果的な支援にしてくれる人が一人でも増えればと思い記事にしました。
※ちなみに上記は被災地現場の話であり、災害対策計画などのスキーム作りは行政をプロと見立て、その指示を注視すべきです