丸川五輪相「ワクチン接種は一回で一時的には大丈夫」は本当か?
オリンピック開会式までに間に合わないワクチンの二回接種
いよいよ東京五輪開会式まで一ヶ月を切りました。
開催を楽しみにしている方、コロナ禍での開催に不安を覚える方、皆さん思うことは様々かと思います。
しかし、現状の政府の発信を見れば開催することはほぼほぼ間違いないでしょうし、その事に対して反対の声を上げるだけでは意味がありません。
現状の感染状況やワクチンの接種状況を鑑み、より安全な体制をどのようにして構築するかを議論する方が前向きではないでしょうか。
政府の力強い取り組みもありワクチン接種も一日100万回という順調な進みを見せています。
一日100万回という目標を掲げたときは「随分と無茶な数字を掲げたなぁ」と思いましたが、結果に結びつけたことに対しては一定の評価を受けても良いと思います。
しかし、この順調なペースを維持したとしても7月23日の東京五輪の開会式に「全国民がワクチン二回の接種」は間に合いません。じゃあ二回のワクチン接種を受けていない人は観戦できないかと言えばそんなことはなく、チケットを持っている方であれば基本的には誰でもOKとなります。その為、オリンピック会場には「安全ではない人(無接種)」と「ちょっと安全(1回接種)」と「かなり安全(2回接種)」の人が混在する状況が生まれることとなります。
これは政府が「ワクチン二回接種した人以外は会場に来てはダメ!」という拘束力のある形で発信をしなくては必ず生まれる状況であり、その発信ができない以上は会場は「人によって異なる危険度が存在する環境」であることを理解・共有することが必要です。
なぜならば、情報を正しく持たなければ「自身の行動にどれだけ規制をかけて安全を確保しなくてはいけないか」を判断することができないからです。要するに「現状把握」に対しての「適切な対応」です。
そこに対して、一番やってはいけないのは「みんな大丈夫!安全安心!」という根拠のない理解を共有することです。
少し遠回りになりましたがこちらのツイートをご覧ください。
一回のワクチン接種では体内で構成される中和抗体の量の個人差が大きいことが報告されており、安全性が懸念されています。
— あけど亮太🟢川越市議会議員(無所属)×経営者🏋🏻♂️(AKD3.0) (@akd_r) June 29, 2021
ワクチン接種を一回でも良いという根拠としては成り立たない情報を大臣が発信するのは良くないです。https://t.co/mluqAa1e0k
ワクチンに関してはまだまだ分からないことがたくさんあります。その為、開発元は様々な調査結果を日々更新し続けています。
そこでファイザー/ビオンテック社がワクチンを一回接種した後の中和抗体活性の状態を調査した結果、一回の接種でも一定の効果(免疫力増)が明らかになりました。
ここだけを切り取れば丸川五輪相の言う通り、一回の接種で一時的な対策となり得る話ですが、これには残念ながら弱点があります。
それは「一回のワクチン接種では体内で構成される中和抗体の量の個人差が大きい」ことです。ワクチンによる効果は個人差がありますが、その個人差が二回接種と比べて一回接種の方が振り幅が大きくなるため、全ての人が一時的にでも十分な免疫力を持つとは言い切れないのです。
無接種の人は一回接種の人よりリスクが高く、一回接種の人は二回接種の人に比べればリスクが高い事実は変わらず、それを一回のワクチン接種でも問題ないかのような発信は誤解を招くだけではなく、誤った理解はその後の対策にも影響を及ぼします。
だからこそ耳が痛くても正しい理解を持ったうえで、リスクが高い人ほど観戦時の自由度は一定制限を掛けつつも安全の確保に努めるなど、批判はあれど線引きをした対策を施さなければなりません。
丸川五輪相の発言は注目を浴びます。同時に批判的な声も多く届く中の激務には頭が下がる思いですが、日を重ねるごとに発言が丁寧さに欠けるような心証を受けます。
東京五輪開催まで一ヶ月を切りました。
厚労相、五輪相を中心に正しい情報を共有して、よりベターな状態で開会式を迎えましょう!
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明ヶ戸亮太(あけど亮太):経営者×市議会議員
現在40歳:川越市議会議員(現在三期目)・広告会社代表取締役・ICTコンサルタント・FPのマルチタスク / JAPAN MENSA会員
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