内閣府、新婚生活60万円補助を発表したが…?
緩和された条件は二点
新婚生活は何かと用入りです。
新居の購入費、新居の家賃、敷金・礼金、共益費、仲介手数料、・新居への引越費用、引越業者や運送業者に支払った引越費用などなど。
これらの費用負担を軽減すべく、政府は平成30年度から新婚生活を応援する事業「結婚新生活支援事業」を実施しています。
そして今回、その政策の条件緩和が検討されており、ニュースを見ると「60万円補助」や「世帯年収540万」などのワードが飛び交っています。
では「結婚新生活支援事業」がどのように条件緩和されたのかを見てみましょう。
- 平成30年1月1日からお住まいの市区町村の事業終了日までに入籍した世帯
- ご夫婦の所得を合わせて340万円未満(注)の世帯
- ご夫婦ともに婚姻日における年齢が34歳以下の世帯
- その他、お住まいの市区町村が定める要件を満たす世帯
以上は既存制度の給付条件でしたが、今回の条件緩和で以下のように変更になりました。(赤字部分)
- 平成30年1月1日からお住まいの市区町村の事業終了日までに入籍した世帯
- ご夫婦の所得を合わせて540万円未満(注)の世帯
- ご夫婦ともに婚姻日における年齢が39歳以下の世帯
- その他、お住まいの市区町村が定める要件を満たす世帯
年齢、所得共に緩和されたのは確かですが、問題は「対象自治体は変更されていない」という点です。
対象自治体は全国でわずか281市区町村
全国の自治体数を見てみましょう。
日本の市町村の数は、2018年(平成30年)10月1日の時点で、市が792、特別区が23、町が743、村が183で合計1,741である。
日本の地方公共団体一覧 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1,741自治体中281市区町村。パーセンテージでいえば約16%。対象自治体は以下の通りです。
各ニュース記事を見るとまるで「夫婦所得合算で540万円未満で39歳以下の夫婦は皆が対象」と緩和されるかのような誤解を生みますが、実際は住まいの自治体が対象事業を実施していなければ当然支給対象外となります。
コロナ禍で皆が不安になる中、過度な期待は大きなショックとなって返ってくることもあります。
発信者は正しい情報発信を、受信者は正しい情報収集を心がけ、情報に振り回されることが無いようにしましょう。
※ちなみに本事業は都道府県ベースで地方に落とし込みとなります。
詳細はこちらの「令和2年度地域少子化対策重点推進交付金(結婚新生活支援事業)一覧」からご覧ください。