政治に携わる人間は企業からの支援で身を滅ぼすか?
企業支援は癒着の第一歩?
政治活動の一環で市内企業の方々から多くの推薦状をいただいています。
まずは活動趣旨にご理解のうえ、推薦をいただいた各企業の皆様、本当にありがとうございます。
そしてその活動に対して、「しがらみのない政治姿勢は企業からの 推薦より市民からの応援では?」といった趣旨のリプライをいただきました。
政治と企業の関係は繊細です。事実、2020東京オリンピック・パラリンピックでは政治と企業の不適切な関係から巨額の税金が不正流出したことも記憶に新しい報道です。
以上を鑑みると、政治活動を通して企業支援を受けることに対して、今回のようなご意見や感想が出るのはごもっともです。
しかし、政治と企業は適切な距離感を保ちつつ、良好な関係を維持することが必要だと考え、あえてオープンにしてきました。
今回の問題提起は改めて自分の考えを説明する良い機会と捉え記事にまとめることにしました。
政治と企業の不適切な関係性とは?
政治が特定の企業に肩入れをすることによって不適切な関係が生まれた例は数知れず。
わかりやすい例が前述した談合問題であったり、その他にも職員退職(議員辞職)後の天下りの問題。更には特定企業に有利となるような制度設計などなど。
挙げればキリがないのが政治と企業の不適切な関係です。
これらの問題は定期的に噴出し、企業・団体から政治活動(政党や政党が指定する政治資金団体のみ)への寄付行為自体を禁止すべきとの動きも出ているほどです。
それほどまでに政治と企業の関係性はデリケートであり、「関係を断つor癒着」といった0-100な評価となっているのが現状ではないでしょうか。
しかし、ボクは政治と企業は適切な距離感を保ちつつ情報交換を行うことができる関係性を維持することが重要であると考えます。
何故ならば政治は経済とは密接な関係にあり、その経済を回しているのが企業です。
企業が回している経済の実態は新聞から読み取れる数字だけで理解することはできません。現場を見て声を聴き、紙面の数字として表れるまでの過程に触れることで政治が正しい経済政策を打ち出すことができます。
これは政治が一市民(国民)の声を聴くことと同じであり、企業だからと言って距離感を持つことは正しい情報を見過ごすことになり、現場を知らない議員や行政マンが数字だけで打ち出した政策が失策となる例は数多くあります。
個人からの支援も一歩間違えれば不適切な関係になります。重視すべきはその距離感であり、個人から支援を受けることも企業から支援を受けることも、癒着や忖度が生じることのない適切な距離感を維持しつつ、生の情報を見聞きできる関係性を築くことであると考えます。
政治と企業の距離感
2020年、世界中で新型コロナウイルス感染症が爆発的に感染拡大しました。
その際、経済圏において一番の経済的ダメージを受けたのが飲食業界です。
飲食業界には一足早く国からの給付金が準備されましたが、現場では雇用賃金や家賃など給付金だけではカバーしきれない支出が数多くありました。
友人が飲食店を経営していることもあり、真っ先に連絡をもらったボクは市内数多くの飲食店の方々に集まっていただき今後の対策について意見交換を行いました。
そこでは100を超える飲食店が名を連ね、市に対する要望書を取りまとめ提出という結果となりましたが、この時の飲食店の一部の方からは今でも応援をいただき、その関係は良好なものと自負しています。
※ちなみにその時はボクから全会派に協力を呼びかけ、党派を超えて市長に要望書を提出しました。
その他にはスポーツ関係企業からも相談を受けることがありました。
子どもたちを集めて運動する公営グラウンドの整備状況が一部損傷をしている箇所があり、それにより子どもたちの活動エリアが狭まってしまうとのことでした。
これは比較的スムースに進みましたが、担当職員さんに迅速に対応していただくことで整備回収が進み、今では子どもたちも安心してスポーツに取り組むことができています。
その他にも企業イベントで市の施設を利用するにあたり、担当課では突き返されてしまったものを使用規約に沿ってイベント内容を公共的なものに組み替えてもらう調整など、市民や川越市に恩恵が生じるものであれば企業からの要望も対応すべきと考えます。
ではその見返りに応援を受けてはいけないのかといえば、適切な関係性を維持できると胸を張って言えるのならば良しと考えます。
そして要望や業界の意見をもらうには日ごろの関係性が必要であり、それは市民生活に目を向けることにも繋がります。
この関係性は「市民が大事か、それとも企業が大事か」ではなく、広域的な視野で総合的に捉えることで自分の中で正解が見えてくるものです。
ただし、当然ながら要望の見返りに金銭の授受が生じてしまうのは絶対に避けなくてはいけません。
企業だけではない、政治との不適切な関係
実はこの問題は政治と企業だけではなく、政治と個人でもそうです。
要望を受け、無事に解決すると「なにかお礼を」と言われることも多々あります。
そしてこれは一定の制限はあれど「政治家に対する寄付」として認められている行為です。
しかし、これを受け取ってしまっては要望の対価がいつしか金銭などにすり替わってしまう恐れがあるので、法的に認められていても要望の対価に寄付を受け取ることは望ましいとは思いませんし、それが適切な関係を築くためのスタンスだと考えています。
逆に言うならば、ボクは適切な関係が築けないのならば個人でも企業でも距離感を置くようにしています。
例えば選挙の応援をしてもらったことで無茶な要望を出してくるような個人や企業の方はいます。
そのような方には応援してもらった義理はあれど事情を説明して距離を取らせてもらうようにしています。それによって「あいつは不義理だ」と言われることが多々ありますが仕方がないので、、、
まとめ
企業も個人の集合体です。ただし、集合体なだけに個人と比べても選挙でも資金面でも大きな力があります。
その大きな力に依存してしまう政治家が多いため、企業との関係性=不適切な関係をイメージしてしまう方も多いし、それも決して間違っているとは言い切れないのも残念ながら事実です。
しかし、企業との関係性を持つことは地域経済を知るうえで欠かせない取り組みです。
ただし、不適切な関係であったり誤った距離感を持ってしまえば「街のため」ではなく、いつしか「企業のため」の政治が生まれてしまいます。
この間違いは企業だけではなく個人もそうです。要望を解決して得られる対価(金銭や投票など)を求めしまえば本来断わるべき不適切な要望を受け、無理難題を役所に押し付けることだって起きてしまう危険性があります。
大事なのは距離感です。何のために政治を行っているのか。ここがブレることが無ければ個人でも企業でも双方にとって良い関係を築き、良い政治をつくることができると考えています。
明ヶ戸亮太(あけど亮太)
1981年生まれ:前 川越市議会議員(三期)・広告会社代表取締役・ICTコンサルタント・ファイナンシャルプランナー / JAPAN MENSA会員 / フィジーカー(APF大会、アスリートモデル部門優勝)・現在、埼玉県議会議員選挙に向け川越市より準備中
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著書:マルチタスク思考
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※川越市のプロフィール(川越市HPより抜粋)
川越市は、埼玉県の中央部よりやや南部、武蔵野台地の東北端に位置し、109.13平方キロメートルの面積と35万人を超える人口を有する都市です。
遠く古代より交通の要衝、入間地域の政治の中心として発展してきた川越は、平安時代には桓武平氏の流れをくむ武蔵武士の河越氏が館を構え勢力を伸ばしました。室町時代には、河越城を築城した太田道真・道灌父子の活躍により、扇谷上杉氏(おうぎがやつうえすぎし)が関東での政治・経済・文化の一端を担うとともに、河越の繁栄を築きました。江戸時代には江戸の北の守りとともに舟運を利用した物資の集積地として重要視されました。
大正11年には埼玉県内で初めて市制を施行し、昭和30年には隣接する9村を合併し現在の市域となり、平成15年には埼玉県内で初めて中核市に移行しました。
川越市は、都心から30キロメートルの首都圏に位置するベッドタウンでありながら、商品作物などを生産する近郊農業、交通の利便性を生かした流通業、伝統に培われた商工業、豊かな歴史と文化を資源とする観光など、充実した都市機能を有しています。現在も、埼玉県南西部地域の中心都市として発展を続けています。
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