若者の投票は政治に反映されるのか?
人口ピラミッドを見ても若者の投票は圧倒的に不利!
シルバーデモクラシーという言葉があります。
直訳すると「高齢者のための民主主義」ですが、日本では2000年代後半に団塊の世代が定年退職の時期を迎え、有権者に占める高齢者の比率が急速に上昇しました。それを受け、有権者全体のなかで高い割合を占める高齢者向けの施策が優先される政治のことをシルバーデモクラシーと言います。
人口ピラミッド(比率)を見てみると高齢者の割合が増えていることは事実ですが、実は生産年齢人口(15~64歳の人口)もその割合で拮抗しているのが分かります。
ではなぜ選挙の投票において、若者の投票は不利であるかのような風潮が生まれたのでしょうか。
若者の投票はどれだけ頑張っても無駄なのか?
これは若者がどのような政策を求めるかによって答えが変わってきます。
日本若者協議会の提言内容から抜粋すると、主に
- 子育て
- 教育支援
- 経済活性化
- 働く環境改善
- 貧困格差解消
- 多様性の包括化
などが期待されているようです。
しかし、これらの政策を総括して「若者が期待する政策」とするのは若干誤った解釈と言えます。
何故ならば若者の中でも世代によって関心の高い政策が異なります。
20代であれば子育てや貧困格差、多様性社会。
30代になれば教育や働く環境や経済の問題。
40代、50代でも大学生などの子供がいれば子育て世代。同じく教育、更には経済にも関心は高いでしょう。
この事からも一括りに若者と言っても、その世代は細かく分割することができます。
その為、若者の期待する政策の定義を有権者に落とし込むと、18歳から50歳まで指すことができます。
以上を踏まえ以下の図をご覧ください。
上の図からも、18~49歳の投票率と年金受給世代、いわゆる高齢者世代の投票率はイメージよりもかけ離れていないことがわかります。
投票率だけを見れば18~49歳の投票率が6%上がるだけで65歳以上の投票率を上回ることが可能です。
若者が全員が投票に言っても高齢者の40%の投票率にはかなわないのだから政治は変わらない!
こんな言葉も聞こえますし、若者を20代30代に限ってしまえば総人口的にも事実ではありますが、若者が期待する政策の中には40代50代も期待しているものだって存在してます。
その様な意味では、幅広い世代が若者の期待する政策を求めて、もう少し投票という意思表示を起こせば政治の、選挙の在り方が変わる可能性は残されているかもしれません。
若い人こそ選挙に行こう!というのは簡単ですが、若者とは何ぞや?どんな政策を実現したから選挙に行くのか?この辺りを明確にしたうえで若者を選挙に促すことが政策実現の第一歩ではないでしょうか。
明ヶ戸亮太(あけど亮太):経営者×市議会議員
現在40歳:川越市議会議員(現在三期目)・広告会社代表取締役・ICTコンサルタント・ファイナンシャルプランナー / JAPAN MENSA会員
マルチタスク・ラボ
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著書:マルチタスク思考