川越市長・市議補欠選挙を終えて
圧倒的低投票率の選挙結果
川越市長・川越市議会議員補欠選挙が幕を閉じました。
選挙の雑感は各候補者の投稿を観つつブログを書こうと思っておりましたが、大半の候補者は5日間経っても音沙汰がないようなので着手しました。
まず、驚いたのはその低投票率です。
共に22%台とボクが過去12年間関わってきた選挙の中で最も低い投票率となりました。
これについては「コロナ」が一つの要因と考えられますが、コロナ禍の今だからこそ「政治への信託行為」ともいえる選挙に関心が高まるのではないかと淡い期待もありましたが、その期待も見事に外しました。
特に市長選挙は市のこれから先4年間の市政運営を託す選挙でもあります。その選挙の投票率が22%台というのは言い方を変えるとそれだけ日本(川越市)は政治に関わらずとも暮らしていける平和な国(自治体)という表れなのかもしれませんね。
結果は逆転現象
逆転と言っても市長選においては現職勝利です。
とはいえ結果は無所属新人のかわめ武彦氏が24,613票に対して現職で自・公・連合 推薦の川合よしあき氏が38,465票と、バックボーンを考えると拮抗とも言える結果でした。
そして市議会議員補欠選挙では自民党公認候補の荻窪としみつ氏が22,424票に対して新人無所属のくらしま真史氏が38,332票と自民党vs無所属の構図で無所属新人に勝ち星が付きました。
ボクの知る限り自民党が支援についた補欠選挙で無所属新人が勝利を収めた結果は見たことがありません。
超低投票率は組織票が有利と言われますが、それでも今回のような結果になったことは選挙の在り方が変わった瞬間であり、有権者の中にも新しい投票行動が生み出された選挙だったのかもしません。
といった結果であり、結果は市長選では組織を抱えた現職、市議補選では無所属新人と逆転現象が起きました。
これについては諸々考え方はありますが、組織票が脱組織、浮動票が若手期待に動いたのではないかと個人的に望んでいます。
選挙の結果分析は自己満足、だけど、、、
↑の通りだと思っています。
というのも各個人の投票結果は守秘義務が守られているので、どれだけ分析しても誰がどこに投票したかなんて想定の範囲を越えません。その為、「今回の選挙結果はこれがこうなってあーなった結果だね!」なんて言ったもの勝ちなところがあります。
その為、あくまで今回の結果からボクが言えるのは結果分析というよりも「そうであったらいいな~」と思う期待と考えを述べたいと思います。
市長選挙
まず、市長選挙は先述した通り現職市長は自民党・公明党・連合埼玉という三大組織の推薦を受けていました。
選挙結果の38,465票という中にはそれらの組織の票が大きく流れたことが予想されます。そうでなければ推薦を受けるメリットはありませんからね。
そして新人候補は組織を持ちませんので多くの票は「反・現職」「若手への期待」などが予想されますので、投票所に足を運ぶ人は投票先を決めたうえで投票を行ったことが考えられます。
そこからも現職への厳しい意見は票に表れているし、当選したから良しではなく24,613票というある意味では現職市政運営にNOを突きつけられた結果に真摯に向き合いながら4年間の市政運営が必要だと考えます。
川越市議会議員補欠選挙
同時に補欠選挙ではその大半の方がどちらに投票するかを決めかねていたのではないでしょうか。
事実、補欠選挙が行われている一週間の間でも選挙が行われていることすら認識されていない場面に何度も遭遇しました。
そうなると補欠選挙で投票した方たちはどのような人なのでしょうか。
市長選挙では投票先を決めていたが補欠選挙はどうしよう、きっと投票所についてからそんな考えをする方も多かったのではないでしょうか。ある意味これは低投票率の中に隠れた浮動票です。
もし仮に今回の選挙が市長選挙を行わずに、市議会議員補欠選挙だけだったら当然投票率はより低い数字を出し、自民党候補者が勝利をしていたでしょう。(そもそもそのような場合は補欠選挙が行われないのであり得ない話ですが)
しかし、市長選挙が行われたことで、市長選挙では浮動票が少ないが補欠選挙では大半が浮動票となったという不思議な現象が起きました。
その為、同じ22%台の投票率でも市長選挙では組織票有利だけれど補欠選挙では浮動票有利の投票率になったと分析します。
とはいえ4年前の補欠選挙では自民党支援の候補者が3名中トップ当選を果たしていることからも、この4年間でも有権者の投票行動は明らかに変わりつつあります。
この点はこれからの選挙の形を変え、選挙の形が変われば伝え方が変わり、伝え方が変われば議員の一挙手一投足にも変化が生じくるはずです。
最後に
選挙は情報です。有権者のニーズを捉え、そのニーズに合致した手法や内容を的確に打ち出すこと。特に今回のような少人数の候補者による選挙ではなおさらです。
そして情報化によって有権者は様々な情報を得ているため、高いリテラシーで候補者を比べることになりますので、今までの戦い方は徐々に衰退し、同時に選挙のハードルも高くなりつつあるのが実態です。
それはこれまでのような「頑張ります!」と声を枯らしているだけではなく、いかに発信の質を高めて候補者の武器と言える魅力を伝播するかが肝になります。
逆に言えば魅力のない候補者はどれだけ大きな組織があっても苦戦を強いられることになります。
選挙に関わって早12年。当時と比べると明らかに空気は変わってきました。
その空気の違いを察知して柔軟的な対応できる能力があれば社会の目まぐるしい変化にも迅速に対応できるはずです。
それこそ為政者に求められる能力の一つであると考えます。
以上、選挙雑感でした。