トリガー条項を発動すると地方自治体が衰退する?

トリガー条項がなかなか発動されません。

当初の予定では「レギュラーガソリン1Lあたりの価格が3ヶ月連続して160円を超えた場合、翌月からガソリン税の上乗せ分(旧暫定税率)25.1円/リッターの課税を停止し、その分だけ価格を下げる」というものでしたが、160円を超えてどれだけの月日がたっただろうか。

ちなみに、トリガー条項発動後に改めてガソリン税の上乗せが再開するのは、3ヶ月連続して130円/Lを下回った翌月からとなります。

ではここでトリガー条項を発動しない政府の言い分を見てみましょう。

サクッとググってみると大きく三つありました。

1.制度設計の組み直しに予算がかかる

2.改めてガソリン税を上乗せする際に混乱が生じる

3.税収約1.5兆円が失われ、地方負担は約5000億円

とのこと。

と思う反面、1と2に関しては本制度(ガソリン税の上乗せ)を設計した際に分かっていたことなので、「なるほど!」とはなりません、、、よね?

そして3について。

これは地方自治体に対する税収減となるわけですから、当然反発が起きるということを殊更強調しています。

でもちょっと考えてみてください。

地方自治体も今の燃料価格の高騰を受け、あらゆる支援策を講じています。

例えばこちらや

予算額:4,700,000円

こちら

埼玉県:令和4年度-6月補正予算案の概要

身近なところを見てみただけでも億単位のお金が動いています。

このような補正予算などは一回だけではありません。

補正予算とは社会情勢を見ながら都度定例会ごと(年4回)に編成されるので、地方自治体への税収減5000億円なんてあっという間に底をつきます。

そのことからも「トリガー条項を発動すると地方自治体に大きな負担がのしかかることになる!」と一見すると利他の精神っぽいことを言っていますが、実はトリガー条項を発動した方が地方負担は減る可能性があります。

じゃあトリガー条項を発動するとどれだけ家計負担が軽減されるのか。

これは第一生命経済研究所で推計を出しており、トリガー条項発動で1世帯当たり1.3万円の家計負担減が示されています。

※詳しくは「トリガー条項発動のマクロインパクト~家計▲0.7兆、企業▲0.8兆以上の減税効果により世帯当たり年▲1.3万円の負担減~」をご覧ください

と言ったわけで、政府がトリガー条項を発動しない理由は結局のところ1兆円の財源確保を手放したくないからでは、と邪推してしまいます。

更に、燃料価格の高騰を抑えることに成功すれば、経済の活性化も期待されます。

この辺りを踏まえ、トリガー条項の発動は早急に実施してもらうよう、多方面からの働きを頑張っていきましょう。


明ヶ戸亮太(あけど亮太)
1981年生まれ:元 川越市議会議員(三期)・広告会社代表取締役・ICTコンサルタント・ファイナンシャルプランナー / JAPAN MENSA会員 / フィジーカー(APF大会、アスリートモデル部門優勝)
マルチタスク・ラボ
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著書:マルチタスク思考

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