【政治】議員に依頼する要望とは?
要望とは身の回りの困りごとを解決するための手段
「議員へ要望を出す」
こんな言葉を聞いたことは無いでしょうか?
要望というと議員が解決するというイメージがありますが、実際に議員が行えるのは役所への橋渡しまでです。
地方議員個人には行政の決裁権がないため、市民から受けた要望を専門的知見を持って取りまとめて役所の各担当部署へ届ける業務までとなります。
そんな要望にはカーブミラーや防犯灯の設置、歩道の補修や繁茂の伐採など身近なものから、公共施設の運営上の問題改善や道路新設に独自条例の制定など大規模なものまで幅広く存在します。
そのような多岐にわたる要望でも役所はすべてに対応できるわけではないし、簡易な要望でも下準備を疎かにしては対応できないなんてこともあります。
そこで、まずは身近な要望の上手な扱い方について解説をしていきます。
公共性の有無が大きなポイント
要望を出すうえで重要なポイントは公共性があるかどうかです。
例えば「家の前の道路にカーブミラーを設置してほしい」という要望を出すとします。その際、役所が判断するポイントは公共性の有無です。
仮にその道路が一日に10台程度の車しか通らないのならば、公共性は低いとなります。
逆に車の交通量が多く、子どもたちの通学路となっている道路であれば公共性は高くなるので、カーブミラーの設置は比較的早期に実現されます。
カーブミラーの設置にかかる費用は公共性の有無に関わらず同じ金額がかかります。
その為、生活の中で不便だな~こうしてもらいたいな~と思った時にはまずは公共性の有無について調べてみましょう。
「自分のためにこうしてもらいたい」ではなく、「みんなの生活を良くするためにこうしてもらいたい」といった視点を持つことが要望を円滑に実現する為の視点です。
とはいえどれだけ公共性が高くても役所も限られた予算で事業を行ってます。公共性が高いからとすべての要望に応えられるわけではないことも覚えておいてください。
そして、そもそも自分の要望が公共性が高いか低いかわからない、そんなこともあるでしょう。
そんな時にサポート役となるのが議員です。
要望対象の周辺を調査し、様々な視点から公共性の有無を抽出します。それによって多くのケースでは公共性が高まります。(逆に公共性が低くなるケースもあるが、、、)
市政?県政?国政?どこい要望を出せばいいのか分からない時は
要望を議員に出すといっても要望内容次第で提出先は市政、県政、国政とそれぞれ異なります。
例えば市道の改修であれば市政、ハローワークへの要望なら県政、一級河川に関する要望なら国政とそれぞれが管轄する分野が異なるので、要望の提出先もそれぞれ異なります。
とはいえ行政事業の管轄なんてものは普段の生活で意識するものではないので、多くの方はどこに要望を出せばいいのかわからないのではないでしょうか。
そんな時はとりあえず地元の市議会議員に相談しましょう。
要望内容に合わせてそれぞれ県政なり国政なりへ繋げてくれます。
当然、市政→県政→国政と要望の規模は大きくなります。そして要望の規模が大きくなればなるほど要望を出すための準備(体制づくり)が必要となります。
要望の規模によって異なる体制
「市政は生活に密着している」と言われる通り、カーブミラーや防犯灯、側溝などの改修や整備などの要望が数多くあります。
それに比べて県政や国政へ対する要望はその規模も大きく、個人で要望を出すことは得策ではありません。
というのも、県政や国政へ出す要望の内容は多くの人が関わるものがほとんどです。だからこそ関わる多くの人と連携をとって要望を出すことをお勧めします。
市政の要望は細かいモノなら数万円ですが、県政国政の要望は億単位まで上ることがあります。
そうなると個人的に提出する要望では費用対効果の面からも要望実現は現実的ではありません。
多くの方が賛同している裏付けとしても複数人となる関係団体で要望を出すことが要望実現に向けて前進する秘訣です。
終わりに
要望を出す際は公共性の有無、管轄行政の確認がポイントとなることを書きました。
家の前の道路を直してもらいたい!と思っても誰も通らない道路にうん百万の税金を投じることは税金の使い方として望ましくありません。
改めてにはなりますが、要望を出す際には「自分のために」ではなく「みんなのため」といった視点を持って要望を出しましょう。
「私はこう思う!」はあくまでも一個人の意見であり、みんなの税金を使う理由にはなりません。
役所に向けて要望を出すときには、家族や友人など周囲の方の意見を聞いてみるのもいいでしょう。
※この記事はいち議員の考えであり、すべての議員の解釈ではありません。