議員の上手な使い方を覚えることが、要望の早期解決に繋がる。
要望の種類は二種類
議員のもとには日々多くの要望が届きます。
その中でも特に多数を占めるインフラ整備について説明します。
インフラとは生活や産業などの経済活動を営む上で不可欠な社会基盤と位置づけられており、ボクらのような地方議員のもとには「道路改修」や「防犯ミラーや防犯灯の設置」などがあります。
これらの要望は生活に密接しているため、対応が完了するとその瞬間から効果を実感することができます。
そしてこのような要望は最初に二つのパターンに分かれます。
対応可能な要望と対応不可能な要望
対応不可能というと聞こえが悪いのですが、要するに「行政で手が出せないもの」です。
多いのが民地内の改修要望。例えば「市道改修」であったり「民地内に補修」です。
さらに細かく言うと、市道を補修したりだったり民地内の繁茂した樹木の伐採。これらは私有財産への介入となるので基本的に行政で税金を使って対応することは不可能です。どうしてもとなれば私有地を行政に採納(寄付)をするなどして補修をすることになりますが、採納に必要な予算も土地所有者負担となるのでやはり莫大なお金がかかってしまいます。
※市道で言えば採納して公道とするために必要な道路幅4m条件を満たすための工事費など。
そして対応可能なのが行政資産であるということです。
道路で言えば公道であったり、繁茂した樹木であれば公園などの公共施設である必要があります。それでも公共空間の管理を自治体などに委託している場合は委託費用内で実施していただくことが基本となっているので、要望一つで改善するのには一定のハードルが設けられてしまいます。
では対応可能な要望をスピーディに進めるためにはどうすればよいのでしょうか。
公共性の高い要望か否か
要望には二種類あると書きました。
行政で介入できるのか、それとも行政では介入ができないかの二つです。
そして行政で介入できるものならば要望を通して改善することは可能ですが、それでも優先順位の高い低いによって着手の順番が変わってきます。
では優先順位の高い要望とはどのような要望なのか。
一言で言えば「公益性の高い要望=優先順位の高い要望」です。
想像をしてみるとわかるかと思いますが、ほとんど利用者のいない道路よりも、多くの人が使う道路、特に通学路にもなっているような道路は公益性が高い道路と言えます。
そのような箇所であれば、行政も公益性の高いと判断をして、比較的優先順位を高めに設定してくれます。
そして公益性を高めるためには自治体が考える政策に照らし合わせることが重要です。
例えば、高齢者福祉に力を入れている自治体ならば高齢者が多く利用する施設周辺の環境を優先的に整えるし、経済対策を優先的に打ち出している自治体ならば商店街の周辺整備に力を入れます。
ただ「〇〇を直して!」ではなく、自治体の方向性を鑑みたうえで要望を構成すると円滑な要望解決に繋がります。
とはいえ、これらの情報は日ごろから把握しているものではありません。
そこで、要望を出すときには議員を活用して、
- どうすれば公益性を高められるか
- どうすればスピード感をあげられるか
- どうすれば改修後の利便性を高められるか
など、スタートからゴールまでを想定した要望を作り上げることが良い要望と言えます。
多くの要望は「とりあえずこれ何とかして!」というものばかりです。
でも、皆さんも自転車屋さんに行って「とりあえず二輪で走る自転車ちょうだい!」とは言いませんよね?
何色がいいのか、タイヤのサイズはどれくらいか、ギア付きが良いのか、カゴが必要かどうかなど、さまざまな打ち合わせの末、希望に沿った自転車を購入するはずです。
議員に対する要望も同じです。詳細を密に打合せして、議員と二人三脚で改善に取り組む。こんな気持ちで要望出しをしていただけるとより満足度の高い結果を生み出すことができます。
議員はうまく使えば便利な存在です。
要望の際は、一緒に汗をかく、そんな気持ちでご連絡ください。
動画でもお伝えしています。お時間があれば是非お目通しください。
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明ヶ戸亮太(あけど亮太):経営者×市議会議員
現在40歳:川越市議会議員(現在三期目)・広告会社代表取締役・ICTコンサルタント・FPのマルチタスク / JAPAN MENSA会員
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